1993年10月、JR山手線の大塚駅から徒歩5分くらいのところ、住所でいうと東京都豊島区東池袋2丁目に、小さな音楽スタジオが産声をあげました。
そのころ私は、17歳で高校でコンピュータを学んでいました。一応、軽音楽部にも所属していましたが、まさか実家が音楽スタジオになるなんて思ってもいませんでした。
当時、私の父は、放送局や実験室などの防音室や、病院のMRIなどの検査機器が設置される磁気シールドルームの設計、施工を行う会社を経営していました。
元々2階建てだった実家を建て替えようという話になったとき、父親は自身の夢であった音楽学校の設立のマイルストンの一つである音楽スタジオの設立を計画しました。
単なる家の建て替えだったはずが、音楽スタジオ付きのビルへの建て替え。
高校生の私にとっては、かなり衝撃的な出来事でした。
ただ、スタジオの運営自体は父の会社の方がやっていたので、実家の1、2階はスタジオですが、3階以降は自宅と明確に分かれていて、私自身もスタジオに関わることは殆どなく(たまに使わせてもらっていましたが)、数年が過ぎました。
ところがある日、遠藤家にとって、とてもインパクトのある決断をしなければならない日が訪れました。
それは、3部屋と少ないことも影響してか、当初の目論見からは売り上げは良いとはいえる状況ではなく、当時何名かの店長が代々お店を切り盛りしていましたが、運営母体の父の会社の1部門としては、成立しないくらいになっていました。
半分はビジネスですが、半分は父の夢から始めたこと。
この先、このスタジオどうするのか、家族で話し合いが何度もなされました。
話し合いの結果、母が店長として、つまりスタジオを家業として継続していく決断をしました。
家業となった以上、私含め兄弟3人も自分の得意分野で家業を盛り上げていこうとやっていました。
私は主にコンピュータと機材関連。
スタジオの機材はよく故障するので、その修理やメンテナンスを頻繁にしてました。
あと、Webサイトやスタジオ主宰でCDを作成したりするイベントなんかもやりました。
とはいえ、修理することも、コンピュータ関連も、その殆どが自分にとっては趣味である大好きなことばかりでしたので、今考えても本人としては遊んでいる状況が、お客様に喜ばれたり、家業の為になるといった結果に繋がっているのが、うれしく、誇らしく、充実していました。
母は、お客様から「女将さん」の愛称で呼んでもらい、そのころにスタジオブーンの「アットホームなスタジオ」という、音楽スタジオとしては素晴らしすぎる評価を頂けたと思います。
その後、祖父や祖母の世話に、母は時間を取られるようになり、私が経営している音響機器開発の会社を設立する際にスタジオの運営業務を女将さんからバトンタッチすることにしました。
私自身が本腰を入れてスタジオに携わって16年程度。
その間、たくさんのお客様に出会い、勉強させて貰いました。
専業主婦だった母が店長になってから暫くの間、家族の合言葉は、「分からなかったらお客様に聞いてしまおう!」でしたw
母は専業主婦、私も姉も学生、弟は中学生。
正直、ずっと音楽やっているお客さんにかなう様な知識なんてありませんでした。
けど、そんな私たちをお客様達は寛大に受け入れてくれました。
もちろん、成果がでなかったりと、大変な時もありましたけどね。
けれど、いつも、熱量がハンパない夢を持っているお客様が来てくれたり、ブーンの個性豊かなスタッフが、この小さなスタジオに大きな夢を詰め込んで邁進してくれているから、大変なんだけど、辛くない。なんか楽しいんです。
高校生のときは自宅がスタジオ???って感じでしたが、間違いなく私の人生に素晴らしい影響を与えてくれたスタジオ、お客様、スタッフに今は感謝の気持ちしかないです。
BOONには、「愉快な」とか「陽気な」という意味があります。
また、「恩恵」とか「ありがたいもの」といった意味もあります。
20年経ったスタジオブーン。
その名の由来どおり、愉快で陽気な仲間たちが沢山いて、音楽という素晴らしい恩恵をいただいてます。
20周年ありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
もし、もっとこうしたら良くなるとか、ここを改善してほしいなどご意見ありましたら、遠慮なく仰ってください。
改善することを約束致します。
そんなこんなでレッツ、パーティーだよ!
もう日があまりないですが、告知です。
2013年12月14日(土) 14時オープン!
charge ¥2,000(ドリンク飲み放題&フードも沢山用意します)
会場:Studio BOON Aスタジオ&Bスタジオ
アコースティックやバンドの演奏もありますよ。
ビールは生ビールサーバ用意しようかと思ってます(^^)v
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