遊びと仕事のグラデーション by Yu Endo

電子楽器づくりと時々キャンピングカー。遊びと仕事の間に生きる遠藤祐のブログ

泥臭い新しい音源の作り方

July 29, 2017

僕は乱暴だけど予め録音しておいた音を再生するPCM音源のシンセが主流になってから、今までにない楽器ってものに出会えていないと思ってます。(ワールドワイドに流通している楽器って意味で)

多分それは、音声合成で既存のアコースティック楽器の音を再現するっていうのがシンセの大きな目的の一つになってて、それがメモリのコストダウンや大容量化によって安価に実現できたからと一人思っております。

PCM音源以外のデジタル音源、例えばFM音源は少ないリソースで多様な音を再現して、その中にはピアノやギター、バイオリン、トランペットなどの既存のアコースティック楽器の音をプリセットしているものもありました。
FM音源はPCM音源の普及と共に廃れた印象ですが、今となってはFM音源自体が持つ独特の音の輝きとかが重宝されていて、これはFM音源の立派な個性だと思います。

こういったリアルタイムに演算する音源を新しく作るより、波形エディタとかで音を作り込んだ方が、短い時間で多くの音を内蔵できるから開発効率も良いし、音数が多ければユーザーにとっても選択肢が増えて有用性が上がると思う。

だから大手楽器メーカーは、このような開発がユーザーのためにもメーカー自身のためにもいいんだと思う。

僕のやっている、リアルタイムに演算する今までにない音源のアルゴリズム開発は時間がかかります。
アイデアがいつ降りてくるか分からないし、実際に作ってみても使えない音だったりすることが多いので。

けど僕は、「今までにない楽器を発明する」という会社のミッションのために、まずは既存の楽器をひとつづつ再発明していこうと思っていて、まずはElizabethというシンセに着手しているわけです。

Elizabethには定番の音源も入れますが、新しい音源も搭載します。

その音源のアルゴリズムは机上で数式だけで作れるのかというと全然そうではなくて(頭のいい人なら作れるかもしれないけど僕は無理w)、数式とは全然関係ないところ、例えば、川の音とかバイクのエンジン音とか絵とか・・・そういったものからインスピレーションを受けて、試しにプログラミングしてみて、聴いて、また少し変えて実験して・・・って延々と繰り返すことでしか作れません。

ってか、僕がその方法でしか作れないのかも。


けど、僕の音は僕の作り方でしか出来ないので、効率悪いかもしれないけどそれでいいんです。

 

ところで、今日はアコースティックライブだ~!

いろんなインスピレーションをもらえそうでワクワクです(^^)/

色んなアルゴリズムが搭載出来れば楽しい楽器になるからねん。

About The Author

株式会社ソニックウェアファウンダー / 代表取締役CEOYu Endo
SONICWARE inc. Founder & CEO / I love to make new sound devices.
三度の飯より楽器づくり

Leave A Reply

*

Comment On Facebook